愛し君。

「う…ん、何してん…?」

大丈夫、まだ完全に目が覚めたわけじゃない。
誤魔化すように「なんにも?」と言いながら、手は止めずに、優しく何度か彼にキスをする。

キュッ

「んー?って、な、何やこれ?!ちょお、自分、何してんねん?!」

私が作業…彼の手を、タオルでベッドヘッドのパイプに括り終えたころ、やっと覚醒した侑士が声を上げた。
そりゃまぁ、普通は驚くだろう。
目が覚めれば、裸に剥かれ、手を拘束されて、おまけに彼女が上に乗っているんだから。

「おはよう」
「あぁ、おはよう…って、ちゃうわ!俺は、何する気か聞いとるんや!」
「何するって…この状況なら一つしかないでしょ?」

他にあるの?と逆に訊き返せば、うっと詰まる彼。
丸め込むなら今がチャンスと踏んだ私は、一気に彼を落とすため、誘惑にかかる。

「そんなに驚かないでよ。いつも侑士がヨクしてくれるから、今日は私がお返ししてあげるってこと。考えてみなよ?私が侑士に全部“ご奉仕”するんだよ?悪くないんじゃない?」
「そら、まぁ…」
「それに、足は自由なんだから、本気で嫌なら私を蹴るとか抵抗できるでしょ…?」
「う…」
「なら問題ないじゃない。今日は私が全部してあげるんだから、大人しくしてね?」

案の定、私にご奉仕してもえるし、と色々利点が浮かんだらしい侑士は、首を横には降らなかった。
まぁ、ご奉仕と言っても、私も楽しませてもらうけどね。
さて、本人からの許可も出たし、気が変わらないうちにさっさと始めよう。

ペロッ

少し肌寒いせいか、目の前の紅い実は、もう、少し硬くなってきている。
ソコに吸い付き、舐めたり甘噛みしたりしながら、もう一方を指の腹で潰しては摘んで引っ張ってみたりと執拗に刺激してやると、

「うっ、ん…」

普段は聞けないような、甘い声。
まぁ、普段は彼が私を攻めて、私が声をあげる方なんだから、当然と言えば当然だけど。

「侑士…可愛い……」
「な、何言うてっ、ンッ///」

思わず口にしてしまった台詞に、恥ずかしかったのか、また漏れかけた自分の喘ぎ声を、下唇を噛んで堪えている。
勿体無い…
そう感じて、私は顔を上げると、侑士の唇に、深くキスをした。
無理矢理に口を開かせ、噛んでいた唇を舐め、口腔に舌を滑り込ませる。
キスをしながらも、乳首への愛撫は忘れない。

「唇、噛まないでよ…切れちゃうし、侑士の声が、もっと聞きたいの」
「そ、んなこと言ったかて、恥ずかし、やんか///」
「どうして?私しか聞いてないんだよ?侑士が私に感じてくれて凄く嬉しいの。もっと感じてる声、聞かせてよ」
「っ…///ッア?!」

胸に意識がいっていたせいか、無防備な下肢にそろそろと手を這わせる。
濃い茂みを越えて、半分程勃ちかけている自身を握る。

「ふっ、はあっ」

急に一番敏感な場所を刺激された為か、ビクリと体が跳ね、漏れる声。
今度は、恥ずかしいのか私から顔を背けはしたけれど、また唇を噛むことはしなかった侑士が愛しくて、「ありがとう」と、その首筋に接吻けた。
そのまま首筋に吸い付いて、舐めたり、軽く歯を立ててみたり、左手で自分を支え、右手では緩急をつけて侑士の肉茎を揉みしだきながら、暫くそれを続けていると、侑士から、小さな抗議があがる。

「ンアッ、はっ、あ、跡付けんと、て…っう」
「ん〜?じゃあ、一個だけ、ね。侑士は私のモノってシルシ」
「ッ…///」

首の付け根、ネクタイを緩めれば、直ぐに見えてしまうだろう位置にキツク吸い付き、赤い華を咲かせる。
この華が、今日の証が、ずっと消えなければ良いのに…
こんなものよりもっと深く、貴方の中に、消えないように、私を刻み込みたいのに…
そう思いながら、綺麗に咲いた華をなぞった。

「ん…どないしたん?」

私が見詰めたまま、暫く跡を撫で続けていた所為か、どうかしたのかと見詰めてくる侑士に、「何でもないよ」と笑顔で返し、また愛撫を再開する。
舌で首筋から下へと辿りながら、手淫で完全に勃ち上がった肉茎に行き着く。
この先の行為をスムーズにいかせる為に、跨いでいた侑士の脚を開かせ、間に入る。
透明な蜜を溢す先端に、ふうっと息を吹き掛けると、ビクリとわななき、また新しく蜜が湧き出す。
そのまま、張り詰めている自身を無視し、柔らかな内股から足の付け根にかけて、キスで辿り、跡をつける。

「ンッ、あん、ま、焦らさん、といてやっ…クッ」
「舐めて欲しいの?」
「っ…///」
「ちゃんと言わないなら、ずっとこのままよ?」

つい、侑士の反応が可愛くて、イジワルしたくなってしまう。
いつも私を攻める侑士の気持ちが少し理解できた。

「ねぇ、どうして欲しい?」
「はよっ、舐めてぇや…っ///」
「ふふ、了解」

潤んだ瞳に赤い頬、そんな顔で睨んだってちっとも怖くないんだよ?
でも、素直に答えてくれた貴方に、ちゃんとご褒美はあげないとね。

「んぁっ!」

いきなり敏感な裏筋に吸い付くと、驚いたような、気持ち良さそうな声が上がる。
そのままゆっくりと裏筋に沿って舐めあげ、蜜を溢す鈴口にキスをする。
手を添えて固定し、鈴口をこじ開けるように、グリグリと舌で抉り、蜜の色が透明から乳白色に変わった頃、侑士自身を咥内に納める。

「ハァ、ふっ、う…」

頭を前後に動かし、口全体で刺激しながら、手で袋を揉みこむと、段々と侑士の呼吸が荒くなる。

「クッ、もう、アカンッ……ッ」

その声と同時に思い切り吸い上げてやると、体が跳ね、同時にどろっとした苦味が咥内に広がる。
それを、わざと羞恥心を煽るように、喉を鳴らして飲みほす。

「ん…美味しかったよ」
「〜っ///」

にこりと笑って見上げれば、赤くした顔を反らすから、こちらを見てない今がチャンスと、ベッドの下にある箱から、潤滑用のゼリーを取り出し、たっぷりと指に乗せる。
私に使う為に用意したものが、まさか仇になるとは思わなかっただろう。
そのまま、力の抜けて無防備に開かれた、足の付け根、淡くけぶる蕾に指を忍ばせた。

「んぁっ?!」

驚く侑士をよそに、そのまま丁寧に入り口をなぞり、ゆっくりと、先ずは浅く、指を一本挿入する。

「うくっ、あっ、やめっぇ、ヒッ、嫌やぁ…っ!」

抗議を無視して、挿れた指を中で動かし、拡げるように内壁を押す。

「ンン、や、あ、嫌やって、やめっ…アァァッ?!」

指を進めて根本まで入れ、クニクニと動かしていると、しこりのようなモノに指が当たる。
その瞬間、侑士は明らかに苦痛ではない声を上げ、出して少し萎えていた自身が首を擡げ始める。
どうやら前立腺を見つけたらしい。
ソコを集中的に攻めながら、二本目の指を挿れると、少し辛そうな顔をするから、指を揃えて前立腺を集中的に抉る。
同じ様にして、今侑士のアナルには、私の指が三本挿っている。

「はぁ、はあっ、ンッ、ンアァ、んぅっ」
「嫌がってた割には感じてるじゃない?」
「そ、なこと、はあっ、ないっ///」
「じゃあ、何で一度も触ってないのに、こんなに大っきくしてんの?」

そう言って、大きく勃ち上がり、イヤラシく蜜を溢れさせる自身を、指でピンと弾いてやると、咥えている私の指をギュッと締め付けた。

「ンア!っ、ね、がいやから、ハァッ、もう、止め…あっ」
「嘘ばっかり。こんなに感じてるくせに。私の指、締め付けて放さないし、ホントに嫌なら、もっと抵抗したらいいのに、それすらしないじゃない」
「そ、れは…」

嘘。
優しい侑士が私を蹴るなんて出来ないこと知っていて、こんなことしてるんだから。
でも、別に侑士を苦しめたい訳じゃない。
気持ち良くさせてあげたいのは本心だから…

「大丈夫、怖いことなんてないよ。感じてる可愛い侑士、大好きよ?」
「か、わいい、言われても、嬉し、アァン、ないっ!///」
「だから、どんな侑士も大好きってことよ。わかったら、安心して私に抱かれなさい」
「そ、なっ…?!ヒィアッ、あ、あ、あぁぁっ!」

ヌプン…ズチュウッ!

言葉と同時に指を抜き、代わりのモノを箱から取り出し、解れたアナルに一気に突き刺した。
いつもは侑士が私に入れるモノ。
けど今日は侑士をヨクしてあげるモノ。

「はぁ、はあっ、やぁ、い…たぃ、、抜い、て、抜いてぇ…」

嫌々と首を振る侑士が可愛くて、もっと感じさせて、よがらせてやりたい衝動に、侑士のアナルに収まるバイブの柄を掴み、抜き差しを始める。

ジュプッ、ズッ、ヌプッ…

「はぁぁっ、アッ、アッ、」
「大丈夫、直ぐに慣れるわ。…あれ?もう気持ち良くなってきたんじゃない?」
「ンァ、そ…こと、ないっ、あ、ハァン!」

強がり言っちゃって。
口なんかより体の方がずっと素直。
そして、その素直な反応を眼前に見てる私を、本気で誤魔化せると思って?
でも、素直じゃない侑士から、素直な言葉がたまには聞きたいじゃない?
だから、言わせてあげようじゃないの、無理にでもね?

「ふぅん?じゃあ、侑士に気持ち良くなってもらえるように、頑張らないとね?」
「え、なに?ん…アアァッ?!」

―ヴヴヴヴヴヴ…ヴィィーン―

アナルで抜き差しを繰り返していたバイブを深くまで差し込むと、抜けないように押さえ、それまで入れてなかった電源を、何の前触れなく入れてやれば、魚のようにビクリと跳ねる侑士の体。
前からは、触ってもいないのに、面白いほど次から次へと白濁した密がトロトロと溢れてる。
これならどう?
少しは素直になった?

「どう?気持ち良いでしょ?」
「ん、はっ、エェわけ、ない、やろ!」
「頑固だなぁ。じゃあ、仕方ない…」
「…?っあ、な、何するんや?!」
「こうする、の!」
「ヒァァァァッ!?ひっ、はっ、やっ、手ぇ、手ぇはなっ、してくれやぁっ!」

頑固な侑士の自身の根本をギュッと押さえ、アナルで微動する玩具のメモリを一気にMAXへ切り替える。

「何で?気持ち良くないならイクわけないんだし、ここ押さえてても問題ないでしょう?」
「そ、れは…っく、ふぁぁ、ヒッ、も、頼っ、からぁっ!」
「何を?ちゃんと言わなきゃわからないじゃない。どう?気持ちイイ?イキたいの?」
「ヒアァッ…う、せやっ、て、後ろい、じられて、感じるな、て、おかし、やろっ?!はぁっ」
「何だ、そんなこと?おかしくなんかないよ。アナルには、前立腺ていうのがあって、男なら皆ココでイけるくらい感じるんだって。だから侑士はおかしくなんかないんだよ?これが普通だから…」

その私の言葉に、

「はっ、ほんま、なん?っ、アァ、もっ、だめやぁっ!ぃ…イイ!気持ちエェよぉっ!やから、も、もう、許してっ、ハァッ、も、い、イキた…っ」

やっと、陥落した彼に、ご褒美を。
私が彼自信から手を離した瞬間、

「ひっ…ンァァッ!」

びゅる、ビュクッ、ビュビュッ…ビュル、ぶぴゅっ

音を立て、まるでソコだけ別の生き物の様にビクビクと脈打ちながら、白濁した粘液を噴き出した。
けれど、彼が射精を続ける間も、彼のアナルではバイブが激しく暴れたままで。

「ふあぁっ、ひっ、アッ、しゃせ、ぇが、止まらへんよぉっ、ア、もうっ、もう抜いてっ!こわ、ぃ 、怖いぃっ!」

アナルからの激しい刺激に、イッたばかりの敏感な体は反応し、射精し続け、初めて見る自分の体の反応に怯え始める侑士。
涙を流して嫌々と首を振り、体を震わせる彼が、可愛く、愛しかった。

「大丈夫よ、何もおかしいことなんてない。怖くなんてないから…だから侑士は、快感だけを感じて、もっともっと、沢山イッて?でもね、そろそろ私も欲しい」
「あぁっ、はっ、ヒハァッ!」
「聞こえてないかな?でもね、こんな可愛い侑士見てたら、私ももう限界。次は後ろだけじゃなく、前も一緒に可愛がってあげるから、沢山鳴いてね?」

甲高い鳴き声と、精液をひっきりなしに漏らしながらイキ続ける侑士には、私の言葉はあまり届いてなさそうだった。
まぁ、勝手にやるからかまわないんだけどね。

自分の下着に手を掛け、一気に下ろせば、透明な糸を引いていた。
これならそのまま挿るな、なんて思いながら、ゴムを手にしてバイブのスイッチを切る。

「はぁぁっ、あ…?」

いきなり刺激が消え、不満の声を漏らす侑士に苦笑い。
高度を持ち、自分の蜜でヌラヌラと濡れ光る侑士のペニスに、手早くゴムを被せる。

「んっ…今度は、はっ、何や、ねん…?」
「可愛い侑士見てたら、私も欲しくなっちゃったの。いいでしょ?」
「そら、もちろんえぇけど…」

困ったように言い淀む侑士に聞き返す。

「けど?」
「…抜いて、くれへん?」
「あぁ、バイブ?駄目」
「な、何でやっ?」

さっきから散々バイブでイクのを私に見られていたのに、今更何をそんなに焦ってるんだか。
私に挿れて、一応攻める側になるから、私より早くイクわけにいかないとか?
私より喘ぐなんて出来ないとか?

「さっき言ったじゃない。前と後ろ、両方可愛がってあげるって」
「なっ?!いつ?!」
「侑士がイキ続けて喘いでた時」
「っ///」

聞いてない侑士が悪いんだよ?と、アナルに挿れたバイブはそのままに、私は侑士に跨ると、左手を侑士の腹に着き、右手で侑士自身を支え、侑士の恥態で十分濡れている自分の蜜部に、ゴムを被せた侑士自身を当てると、一気に挿入する。

「ん?!くうっ!」
「あ、はぁぁっ、アッ!」

全てを私の胎内に納めると、呼吸を整え、ゆっくりと腰を動かす。
私の締め付けや動きに、僅かに声を漏らして顔を歪める侑士が見える。
それじゃあ、また沢山鳴いてもらおうか…?

「ヒッ?!あぁぁぁっ!」
「ンッ、」

今まで止めていた玩具のスイッチを入れれば、私が上に乗っているにも関わらず、侑士は体をびくりと跳ねさせ、私の胎内にある自身の大きさを増した。
その反応で、余計に圧迫された私も呻く。
けど、だめだめ、しっかりしなきゃ。
今日は私がするって決めたんだから、ここで快楽に流されるわけにはいかない。
そう思い、侑士を見つめる。

「は、アァッ、ん…」

強烈な快感に、恐怖しながらも感じて歪むその貌は、とても綺麗で…
同時に可愛いくもあり、愛おしかった。

「侑士、大好き、だよ…ハッ、だから、もっと、ンッ、もっと、私だけを、感じていて、ね」
「あ、あぁ、ふぅっ」

もはや侑士には聞こえていないんだろう。
腰を動かし、侑士の右胸の飾りを摘みながら言う私にも、そんなに余裕はなくて。
精一杯、腰を止めずに言う言葉も、前後を同時に攻められて、狂ったように喘ぐ侑士には、きっと届いていないんだ。
それでも、いい。
貴方が最高の快楽を感じているのなら、私がもたらす悦楽に溺れているのなら、幸せなの。

「あ、クッ、も、もぉ、…ヤバッ、んぁっ、ィク、あ、あぁー!」
「ん、アァッ!」

侑士が限界を訴えてきた時、私ももう限界だった。
侑士の胎内でうごめくバイブのスイッチを最大に押し上げ、疲れてきた腰を大きく動かす。
そして、私が際奥まで侑士を呑み込んだ瞬間、侑士は欲望を吐き出した。
私も薄いゴム一枚隔てた、その熱い飛沫に、胎内の侑士を締め付けて極めた。

玩具のスイッチを切り、アナルからバイブを引き抜くと、「んっ」と短く声が漏れる。
ゆっくり、私の胎内のモノを腰を浮かせて抜くと、そのまま侑士に倒れこむ。
肩で息をしながら、暫く無言で二人とも微動だにしなかった。
いや、私は動けなかった。
侑士を愛しているから、だから彼にも悦んで欲しくて、最高の快楽を味あわせてあげたくて、やったことだけど、それは私が望んだことで、あまりに一方的。
彼は、嫌がっていたじゃないか…
そう思うと、大好きな侑士の顔が見られなかった。

「…なぁ、そろそろコレ、外してくれへん?」

沈黙を破ったのは彼の一言。
けどその声からは、感情が全く伝わらなくて、私は小さく頷くと、彼の手首を戒めるものを外した。
すると、

ギュッ

「え?」
「やぁ〜っと抱き締められた」

突然抱き締められ、戸惑う私。

「ちょ、何で?ねぇ…怒って、ないの?」
「ん?別に?怒ってはないな」
「な、何で?!」

あんまり予想外なことを言うから、驚いて彼の顔を見れば、優しい彼の顔があった。

「何でて、俺が好きやからやったんやろ?」
「そう、だけど…」
「せやったら、怒る理由ないし」
「でも、侑士嫌がってたのに…」
「そらまぁ、男としてのプライドあるし、簡単に受け入れたないやん」

少し困ったように笑いながら、私の頭を撫でる侑士に、堪らなくなった。

「ごめん、ごめんね侑士」
「せやから、謝らんでえぇて。それに…」
「それに?」
「あ〜、まんざらでもないっちゅうか、その…気持ち、良かったわけやし///」

そう言って、赤らんだ顔を背ける侑士に、嬉しくて、やっぱりそんな侑士が大好きで仕方なくて、その横顔にキスをした。

「カッコイイ侑士も、可愛い侑士も、全部が好きだよ。愛してる」
「ん、ちゃんと知っとるよ?せやけど、はわかってへんな」

侑士の言葉にドキッとする。
この気持ちを言葉に出したことなんてなかったはずだ。
さっきのも、侑士には聞こえていなかったはずなのに。
まさか、聞こえていた?
見抜かれて、る…?

「俺が気付かんとでも思うてた?甘いで。この跡が決定打やな」

私が付けた紅い華を指して言う侑士に、驚く。
完全に、バレている。

「こんなん無くても、俺はずっと、のもんやろ?今かて、以外見えてへんよ?けど、その独占欲も、愛故に、ってヤツやん?せやから、俺は嬉しいんよ」
「侑士…」

侑士には、何で全部わかっちゃうんだろう…
大好き。
侑士が大好き。

その気持ちしか浮かばない。

今度は私から、侑士にギュッと抱きつく。

どちらからともなく、唇を触れ合わせる接吻を、何度となく飽きるほどに。
やがてお互い顔を合わせて微笑いあい、静かに目を閉じる。
心地よい疲労感に、お互いの温もりを感じやがて二人、幸せな眠りに落ちていった。


ねぇ、侑士?
可愛い侑士が気に入っちゃったって言ったら、どうする?
今日の、嫌じゃなかったって貴方も言ったよね?
それなら、たまにはまた、私が襲ってあげようか。
だってね、好きな人に触れたい、気持ちよくしてあげたい気持ちに、男も女もないんだよ。
そこにあるのは、目の前の相手が愛しくて、ただただ愛してあげたい気持ちだけ。

全ては貴方が、愛しいが故に…


終わり




 お友達の誕生日に書いたプレゼントだったり;;
 誕生日になんてハードなもの読ませんだって話ですよね;
 でも、初めて思いっきりエロ書いたんで、ちょっと満足。

2008.7.13

モドル