Stroke



  夜中、ふと目が覚めた。

(今、何時だろう?)

 時計を見る為に起きようとすると、長太郎にしっかりと抱かれているのに気が付いた。

(こいつ、まさかずっと俺のこと抱いて…たわけないか。寝返りぐらいうつしな。でも、俺、こいつに抱かれて寝たはずだよなぁ?そしたらやっぱり…?まぁ、いいや)

 時計を見ようと長太郎の腕から抜け出し、上体を起こす。
 時計は五時をまわったばかりで、日曜の今日、起きるにはかなり早い。


(
寝よ)

 そう思い、宍戸はまたベットに戻ろうとすると


『ん…し、しどさ‥ん』

 微かに聞こえた長太郎の声。

(ヤベッ!起こしたか?)

 焦ってシーツにもぐると、それっきり長太郎は何も言わない。

(なんだ、寝言か)

 そう思ったとき、不意に強い力で引き寄せられ、抱きこまれていた。
 しかし、長太郎が起きた様子はない。


(
まさか、こいつ無意識に?じゃあ、俺が起きると大抵腕の中なのは、俺が寝返りとかで離れる度に抱きよせてたのか?しかも無意識に?)

 長太郎の気持が、自分を愛してくれているのが、すごく感じられて。
 嬉しい反面、かなり照れてきた宍戸は、


(あーもー考えんのヤメ!寝よ)

 長太郎の胸に頭をよせ、目をる閉じる。
 規則正しい鼓動がきこえてきて。


(なんか、安心すんなー…)

 だんだんと意識は遠退いていく。
 もう少しすれば、またいつものように優しく起こされる。

 それまで、寝ていよう。
 俺の大好きな声に、呼ばれるまで。



  〜END〜








 これは確か、かなり前に、宍戸さんお誕生日記念で書いたものだったハズ…
 全くBDに関係ないですが、それはもう気にしない!
 だって、気にしだすとキリが無いから・・・;






モドル