Thanks


「あと、少しやなぁ…」
「あぁ」

 もうすぐ‘今日’が終る。
 そして明日は、跡部のBIRTHDAY。

「景吾」

 後数秒で日付が変わる。
 そんな時に名前を呼ばれ、時計から忍足に顔を向けると、

「んっ…ふぅ、ん」

 突然のキス。
 歯列をなぞり、舌を絡めて口内をたっぷり蹂躙した後、忍足は唇をはなした。

「景吾、ありがとうな」

 時計は零時をまわったところ。

「はぁ?フツー、おめでとうじゃねーのか?」


 跡部がそう訊くと、忍足は少し微笑って答えた。

「ありがとうで、えぇんよ。“生まれてくれて、ありがとう”」
「っ…バーカ


(なんでコイツは、んな恥ずかしいことを平気で言えるんだ?

 跡部はそう思いながらも、やはり嬉しくて、ギュっと忍足に抱きつく。
 すると、背中に腕がまわって、抱き締め返してくれる。

「愛してんで、景吾」


 耳元で囁かれる一言で、こんなにも嬉しい気持になれる。
 大好きな人と二人きりで過ごす誕生日。

 特別な日がまた別の‘特別’を持った日になった。





end







 わぁ…大分恥ずかしいなコレ;
 ノ、ノーコメントで;





モドル